Letter

ミヤマハタザオのゲノム:ミヤマハタザオのゲノム配列および高速のゲノムサイズ変化の基盤

Nature Genetics 43, 5 doi: 10.1038/ng.807

8.3倍のジデオキシ配列カバー率で、北米のミヤマハタザオ(Arabidopsis lyrata)MN47株の207 Mbのゲノム配列を明らかにした。シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)自殖種の遺伝子が27,025個であるのに対し、この他殖種の遺伝子は32,670個と予測された。1,000万年前にミヤマハタザオから分岐したシロイヌナズナのゲノムは、125 Mbとはるかに小さく、この科の派生的な状態を構成していると考えられる。大規模な再配列によるDNAの喪失を示す証拠も発見されたが、ゲノムサイズの差の大部分は、数十万か所の小規模な欠失によるものであり、その多くは非コードDNAおよびトランスポゾンであると考えられた。シロイヌナズナで依然として分離する欠失および挿入の解析により、DNAの喪失が進行中であることが指摘され、ゲノムサイズの縮小に向けた広汎な選択が示唆された。ミヤマハタザオに関する質の高い参照ゲノム配列は、Arabidopsis属の機能、進化、および生態の研究にとって重要な資源になると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度