Letter 緑内障:セリンプロテアーゼPRSS56の変異はマウスに広隅角緑内障、ヒトおよびマウスに後部小眼球症を起こす 2011年6月1日 Nature Genetics 43, 6 doi: 10.1038/ng.813 広隅角緑内障(ACG)は緑内障の一亜型で1,600万人の人が罹っている。400万人の人がACGのために両側の失明になるが、ACGを起こす分子メカニズムはわかっていない。ACGでは高眼圧が緑内障を起こす。高眼圧は伝統的に光彩が眼の隅角をブロックあるいは閉塞することにより、房水潅流を制限することによるといわれてきた。ACG患者の眼は軸方向の長さの軽度の短縮、前房が浅く、相対的に大きいレンズなど、隅角の閉塞を起こしやすい特徴をもつことが多い。この論文ではこれまで未知であったセリンプロテアーゼ(PRSS56)の遺伝的な変異が長軸長に変化を与え、マウスにACGに似た表現型をもたらすことを示す。このプロテアーゼの変異はまた長軸長の著明な短縮と後部小眼球症を起こす。総合して考えると、このセリンプロテアーゼ変異は、眼球サイズの縮小とACGを含む一連のヒト眼球病態の発生にかかわっていると結論される。 Full text PDF 目次へ戻る