Letter ヘッジホッグ経路:KIF7の変異によって胎児のhydrolethalus症候群および先端脳梁症候群が引き 起こされる 2011年6月1日 Nature Genetics 43, 6 doi: 10.1038/ng.826 KIF7は、ショウジョウバエのCostal2のヒトオーソログで、ヘッジホッグシグナル伝達経路の主要な構成要素である。本論文では、hydrolethalus(水頭致死)症候群および先端脳梁症候群(多発性の奇形がみられる2疾患で、多指症、脳の異常および口蓋裂など、疾患の特徴が重なる)の患者にKIF7の変異がみられることを報告する。ヘッジホッグシグナル伝達におけるKIF7の役割と一致して、KIF7変異をもつ人の組織では、GLI転写因子の標的のほとんどの発現低下とGLI3プロセッシングの低下がみられる。また、異なるコホートでの配列決定により、KIF7のタンパク質機能に有害ないくつかのミスセンス変異が同定されており、KIF7は、広範囲の繊毛関連疾患群の対立遺伝子にも寄与すると考えられる。さらに、in vivoの遺伝学的相互作用についての研究から、KIF7のノックダウンにより、他の繊毛関連疾患の転写産物のノックダウンによって引き起こされる表現型が強まりうることが示された。我々のデータは、ヒトの一次繊毛におけるKIF7の役割、特にGLI標的の調節を介したヘッジホッグ経路における役割を示し、また、繊毛関連疾患の臨床的な範囲を拡大するものである。 Full text PDF 目次へ戻る