Letter 自閉症:孤発例の自閉症スペクトラム障害におけるエキソーム配列決定によって有害なde novo変異が同定される 2011年6月1日 Nature Genetics 43, 6 doi: 10.1038/ng.835 自閉症スペクトラム障害(ASD)の病因については、かなりの座位異質性があるため複雑ではあるが、強い遺伝要因があることを示す一貫した証拠がある。我々は、孤発例のASD患者20人(症例)とその両親のエキソームの配列決定を行った。これらの家族には、主要な効果をもつde novo変異が豊富に存在すると考えられるためである。我々は21個のde novo変異を同定した。そのうちの11個はタンパク質を変化させる変異であった。このようなタンパク質を変化させる変異では、高度に保存された残基を変化させる変異が有意に多くみられた。我々は、20人の発端者のうち4人(特に、この4人は中でもより重症である)に、疾患の原因の可能性があるde novo事象を、FOXP1、GRIN2B、SCN1A、およびLAMC3において同定した。FOXP1変異の保因者においては、CNTNAP2に遺伝性の稀なミスセンス多様体も見いだした。これは、疾患リスクの多ヒットモデルを機能的に裏付けるものである。我々の結果は、両親と子の三人組を基盤とするエキソーム配列決定がASDの新しい候補遺伝子を同定するための強力なアプローチであることを示し、また、de novo変異がASDの遺伝学的病因に大きく寄与する可能性を示唆するものである。 Full text PDF 目次へ戻る