Letter 自己免疫疾患:自己免疫疾患に関連するPTPN22の遺伝的 多様型はリンパ球および樹状細胞の過剰応答に 関連するカルパインを介したLyp/Pep分解を促進する 2011年9月1日 Nature Genetics 43, 9 doi: 10.1038/ng.904 PTPN22にコードされるLypホスファターゼの遺伝的多様型(Lyp620W)は自己免疫疾患のリスクに寄与するが、この関連の基礎となる機構は明らかになっていない。本論文では、Lypの多様型のホモログのPep619Wを発現するマウスは、T細胞数の増加、活性化亢進、正の選択の増加および樹状細胞やB細胞の活性化亢進を伴う、胸腺腫大および脾臓腫大を示すことを明らかにする。Ptpn22(Pep)転写産物のレベルはPep619Wマウスも野生型Pep619Rマウスと同程度であったが、Pepタンパク質のレベルはこの変異型マウスで激減していた。Pep619Wタンパク質は、Pep619Rタンパク質よりも、急速に分解されること、また、カルパイン1との結合やin vitroでのカルパイン1による切断もより増加していることがわかった。同様に、ヒトのT細胞およびB細胞においても、Lyp620W多様型のタンパク質レベルは低下しており、また、カルパインとの結合やそれによる切断は野生型Lyp620Rと比較して増加していた。それゆえ、カルパインを介する分解の結果として、Lyp/Pep発現が低下し、リンパ球および樹状細胞の過剰応答が引き起こされるという機構によって、Lyp620Wが自己免疫疾患のリスクを増加させる可能性がある。 Full text PDF 目次へ戻る