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皮膚疾患:PNPLA1の変異はゴールデン・レトリバー犬および
ヒトで常染色体劣性先天性魚鱗癬を引き起こす

Nature Genetics 44, 2 doi: 10.1038/ng.1056

魚鱗癬は、異質性のある遺伝性皮膚症の一群で、全身にわたる皮膚の異常な落屑を特徴とする。この疾患のヒトでのいくつかの病型の遺伝学的原因は明らかになっていない。我々は、ヒトの常染色体劣性先天性魚鱗癬(ARCI)に類似した葉状魚鱗癬を罹患するゴールデン・レトリバー犬種の自然発症イヌモデルを用いて、ゲノムワイド関連研究を行った。我々は、すべての罹患ゴールデン・レトリバー犬において、中途終止コドンとなるPNPLA1のホモ接合性の挿入欠失(indel)変異を同定した。次に、2家系のARCI患者6人において、ヒトPNPLA1の触媒ドメインに1個のミスセンス変異と1個のナンセンス変異を見いだした。さらなる実験から、表皮脂質バリアの形成におけるPNPLA1の重要性が強調された。この研究は、ヒトの魚鱗癬に関与する新規遺伝子を同定するものであり、また、PNPLAタンパク質ファミリーに属する、まだ特徴が明らかになっていなかった因子の局在と機能についての手がかりとなる。

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