Letter 精神疾患:CrhおよびOprm1はMECP2重複症候群マウスモデルにおける不安関連行動と社会的アプローチを仲介する 2012年2月1日 Nature Genetics 44, 2 doi: 10.1038/ng.1066 Xq28に広がるゲノム重複は、不安と自閉症を含む、一連の表現型に関連する。罹患者に共有される最小領域にはMECP2とIRAK1が含まれるが、どの遺伝子が過剰発現すると不安や社会的行動障害が引き起こされるのかは解明されていない。本論文では、マウスにおいてMECP2レベルを2倍にすると、不安の高まりと自閉症様の特徴が引き起こされること、また、CrhやOprm1などの、不安や社会的行動に影響を与える遺伝子の発現が変化することを報告する。これらの 2つの遺伝子の発現の変化が不安の高まりや社会的行動障害に寄与するという仮説を検討するために、CrhおよびOprm1の発現を低下させたMECP2重複マウス(MECP2-TG1)を解析した。MECP2-TG1マウスにおいて、Crhあるいはその受容体(Crhr1)のレベルを低下させると、不安様行動が抑制された。対照的に、Oprm1の発現を低下させると、異常な社会的行動が改善した。これらのデータは、MeCP2レベルの増加が不安や社会的行動の基礎となる分子経路に影響を与えることを示し、また、MECP2関連疾患の治療可能性に新たな手がかりをもたらすものである。 Full text PDF 目次へ戻る