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血液型:乳がん抵抗性タンパク質をコードしているABCG2のヌル対立遺伝子は新式血液型Juniorを決めている

Nature Genetics 44, 2 doi: 10.1038/ng.1070

ABCG2としても知られている乳がん抵抗性タンパク質は、多剤抵抗性を付与する働きがあるため最もよく研究されているATP結合カセット(ABC)トランスポーターの1つである。ヒトでABCG2の生理的役割についての情報がないことは、このトランスポーターを標的とするがん化学療法アプローチを著しく制約している。本論文では、ABCG2が新式血液型(Junior, Jr)の分子基盤を構成しており、Jr(a−)血液型をもつ人は2つのABCG2のヌル対立遺伝子を遺伝的に受け継いでいることを報告する。ABCG2で5つのフレームシフト変異ならびに3つのナンセンス変異を見つけた。また日本人と欧州ジプシー集団でJr(a−)血液型が多いことを見つけ、それぞれ、p.Gln126*とp.Arg236*タンパク質の変化に関係していた。ABCG2–/– (Jr(a−))の人が表現型上正常であることが判明したことは、がんでABCG2を標的化するため、また、ヒトにおいてこのわかりにくいトランスポーターの生理的、薬理的な役割の理解する上で、重要なステップである。

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