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紫外線感受性症候群:紫外線感受性症候群のUVSSAタンパク質はUSP7タンパク質を動員して転写と共役した修復を調節する

Nature Genetics 44, 5 doi: 10.1038/ng.2230

転写と共役したヌクレオチド除去修復(TC-NER)はNERの補助経路で、RNAポリメラーゼIIを妨害するような毒性の強いDNA中の障害を取り除く。欠損したTC-NERはヒトの病気であるコケイン症候群や紫外線感受性症候群(UVSS)を引き起こす。NERを開始する因子はユビキチン化で調節されることが知られている。SILACをもとにしたプロテオミクスの解析から、UVSSA(これまではKIAA1530と呼ばれていた)は紫外線で誘導されるユビキチンタンパク質複合体の一部であると同定した。UVSSA遺伝子をノックダウンするとTC-NERの欠如になる。UVSSA遺伝子は、これまで未解決であったNERの欠損による病気であるUVSSの原因遺伝子であることがわかった。UVSSAタンパク質は、合成中のRNAポリメラーゼIIと相互作用し、紫外線により誘導された障害部位に特異的に局在し、クロマチンと結合したTC-NER複合体中に存在する。そして、脱ユビキチン酵素であるUSP7をTC-NER複合体に配送して、TC-NERを構成する主たるタンパク質であるERCC6(CSBとしても知られている)を安定化することが示唆された。これらの発見を総合すると、UVSSA-USP7を介したERCC6安定化が、遺伝子発現を回復させる際のTC-NERの重要な調節機構を担っていることが示された。

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