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ウォーカー・ワールブルグ症候群:ISPD遺伝子の変異がウォーカー・ワールブルグ症候群の原因で、α-ジストログリカンのグリコシル化に欠損がある

Nature Genetics 44, 5 doi: 10.1038/ng.2253

ウォーカー・ワールブルグ症候群(WWS)は常染色体劣性遺伝性の多臓器にわたる病変で、先天性の筋萎縮症(CMD)や異常なα-ジストログリカンのグリコシル化を伴う眼と脳の複合した異常が特徴である。ここでは、ISPD遺伝子(イソプレノイド合成酵素のドメインが含まれる)の変異が、WWSを引き起こす原因として2番目によく見られることを報告する。細菌のIspDは、グリコシルトランスフェラーゼという膨大なファミリーの一員であるヌクレオチド転移酵素の1つであるが、脊索動物門では対応する非メバロン酸イソプレノイドの生合成経路がないので、脊索動物での相同(オーソロガス)タンパク質の役割については、現在まではっきりしていない。ゼブラフィッシュでispd遺伝子をノックダウンすると水頭症、眼の大きさの減少、筋肉の縮減、α-ジストログリカンの低グリコシル化といった、ヒトWWSの表現型を見ることができる。これらの結果はα-ジストログリカンのグリコシル化でISPDが、脊椎動物で筋繊維鞘における健全性を維持していることを示唆している。

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