Letter 穀類の脱粒性:穀類におけるShattering1遺伝子に並行して起こった栽培化 2012年6月1日 Nature Genetics 44, 6 doi: 10.1038/ng.2281 穀類の栽培化過程における重要な段階は、種子の脱粒をなくすことである。ここでは、モロコシでの種子の脱粒が、YABBY転写因子をコードしている単一のShattering1(Sh1)遺伝子によって制御されていることを示す。栽培化されたモロコシはSh1座位に3つの異なる変異を持っている。プロモーターとイントロン領域にある調節部位の変異型では発現レベルが低く抑えられ、2.2 kbの欠失を持つ変異型ではエキソン2と3を欠いた転写産物を作り、イントロン4のGTからGGへのスプライシング部位の変異型ではエキソン4の欠如が起こる。在来種のモロコシでのこれらの非脱粒性のハプロタイプの分布からは、3つの独立した起源が示唆される。大規模な集団マッピングにより、コメのオーソログ(OsSh1)の機能はさらに抗脱粒性の変異として効力が増すことが、またトウモロコシでは2つのオーソログ(ZmSh1-1およびZmSh1-5.1+ZmSh1-5.2)において示された。これらの研究から種子の脱粒性に関するSh1遺伝子はモロコシ、コメ、トウモロコシの農業栽培において並行して選択が起こったことが示唆される。 Full text PDF 目次へ戻る