Letter IMAGe症候群:CDKN1CのPCNA結合ドメインの変異はIMAGe症候群の原因 2012年7月1日 Nature Genetics 44, 7 doi: 10.1038/ng.2275 IMAGe症候群(子宮内発育不全、骨幹端異形成、先天的副腎低形成、性器奇形)は生命予後をおびやかす発育不全疾患である。IMAGe症候群の一家系での同祖性解析(IBD:identity-by-descent)により罹患家系内で分離している染色体11p15上の17.2 Mbの座位を見つけた。疾患座位の標的領域エキソンアレイキャプチャーと、これに続く高密度ゲノム配列決定、ジオキシ法塩基配列決定による確認により、インプリントされた遺伝子CDKN1C(P57KIP2ともいう)にミスセンス変異を、2家族と4人の血縁関係のない患者で見つけた。家系分析で変異が母親を通じて伝えられた場合にのみIMAGe症候群を起こすインプリント型の遺伝様式が示された。CDKN1Cは細胞周期の進行を止め、IMAGe関連CDKN1C変異をショウジョウバエに選択的に発現させると、野生型のCDKN1Cに比べ重篤な眼球発育障害をもたらし、機能獲得型の機構が考えられることを見つけた。IMAGe関連の変異のすべてはCDKN1CのPCNA結合ドメインに集中してPCNA結合能の喪失をきたしており、この点が過成長症候群であるBeckwith-Wiedemann症候群を起こすCDKN1Cの変異とは異なる点である。 Full text PDF 目次へ戻る