Letter イネ:OsSPL16がイネの穀粒のサイズ、形状、品質に及ぼす影響 2012年8月1日 Nature Genetics 44, 8 doi: 10.1038/ng.2327 穀粒のサイズや形状は穀粒の収量や品質の重要な要素であり、穀物が初めて栽培化されて以来の選択要件である。本論文では、イネの量的形質座位GW8の責任遺伝子がOsSPL16であることを明らかにする。OsSPL16は、細胞増殖を正に調節するタンパク質をコードしている。この遺伝子を高度に発現すると、イネの細胞分裂および登熱が促進され、イネの米粒の幅が広くなり、収量が増大した。逆に、バスマティ米においてこの遺伝子の機能喪失変異を作製したところ、もとの品種に比べて細長く、また外観品質に優れたコメが得られた。米粒のサイズとGW8座位における対立遺伝子多様性との間の相関関係から、育種プログラムで選抜されたイネでは、この遺伝子のプロモーター領域内に変異が生じている可能性が示唆された。また、米粒のサイズや形状を決定しているGS3およびOsSPL16の対立遺伝子のうち最も優れた形質を呈する対立遺伝子に対して、マーカーを利用とした手法をとることで、効率的に、コメの品質および収量を同時に改善できる可能性が高いことを示した。 Full text PDF 目次へ戻る