Letter 染色体逆位:ヒト17q21.31領域のハプロタイプ構造の特徴と最近の進化 2012年8月1日 Nature Genetics 44, 8 doi: 10.1038/ng.2334 ゲノム中で、複雑な構造の領域については、あまりよく理解されていないことが多い。そのような座位の1つであるヒト染色体17q21.31には、メガベースの長さの逆位多型と、特徴がよくわかっていない多くのコピー数多型(CNV)、そして、女性の生殖能や女性の減数分裂時組み換えや神経疾患と関連するマーカーが含まれている。また、17q21.31の逆位であるH2型は、ヨーロッパ人においては正の選択を受けているようである。我々は、複雑なゲノム構造を解析するための集団遺伝学的方法を開発し、17q21.31は9個の構造型に分離されることを明らかにした。17q21.31逆位多型のH1型およびH2型の両方が、KANSL1遺伝子の独立に生じた部分的重複を含んでいる。これらの重複は、新しいKANSL1転写産物を産生し、また、この両方ともが最近ヨーロッパ人で高い対立遺伝子頻度を得ている(26%および19%)。このような重複をもたない祖先型H2型は、ヨーロッパ人集団および中央アフリカの狩猟採集民集団には低頻度で存在している。我々はさらに、複雑なゲノム構造はSNPからコンピューターによる予測を行うことで解析できることを示す。 Full text PDF 目次へ戻る