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染色体逆位:17q21.31逆位多型の構造多様性とアフリカ起源

Nature Genetics 44, 8 doi: 10.1038/ng.2335

17q21.31逆位の多型は、正常な方向(順位、H1)のハプロタイプと、逆向き(逆位、H2)のハプロタイプとして表せる。これらのハプロタイプは、疾患や選択に対して差のある素因となるものである。我々は、アフリカ人集団を中心に、2,700人の17q21.31について遺伝的多様性を検討した。複雑な再構成に起因するため、大きさに1.08〜1.49 Mbの幅がある8個のパプロタイプの構造的特徴を明らかにし、30 kbのH1-H2二重組み換え事象の証拠を示す。KANSL1遺伝子の頻発する部分的重複は、H1とH2の両方のハプロタイプに起こっており、また、この重複はヨーロッパ人集団において高頻度になっている。我々は、これらの重複がみられない推定祖先型H2ハプロタイプ(H2’)を同定した。H2’ハプロタイプは、アフリカ狩猟採集民グループに豊富にみられたが、基本的に西アフリカ人集団ではみられなかった。H1とH2の断片重複は、独立にヒトのアフリカからの移動前に起こったが、異例の遺伝的浮動あるいは選択的スウィープのため、最近ヨーロッパ人の間で高頻度に達している。

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