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マルファン症候群:TGFB2の変異はマルファン症候群の軽度の全身性特徴に関連する家族性の胸部大動脈瘤および大動脈解離を引き起こす

Nature Genetics 44, 8 doi: 10.1038/ng.2348

急性大動脈解離につながる胸部大動脈瘤にかかりやすい体質は、常染色体優性形式で家族に受け継がれることが多い。胸部大動脈疾患のみられる血縁関係のない大規模な2家系のゲノムワイド連鎖解析に続き、血縁罹患者の全エキソーム塩基配列決定を行うことで、原因となるTGFB2の変異を同定した。これらの変異(エキソン6のフレームシフト変異およびエキソン4のナンセンス変異)は、統合ロッド(LOD)スコア7.7で疾患と分離した。遺伝性胸部大動脈疾患の家系の276人の発端者のサンガー塩基配列決定から、さらに2個のTGFB2変異が同定された。TGFB2はTGF(トランスフォーミング増殖因子)-β2をコードしており、その変異はTGFB2のハプロ不全を引き起こすと予測される。ところが、症例由来の大動脈組織のTGF-β2の発現および免疫染色を調べてみると、逆に、増加を示すことがわかった。したがって、TGFB2のハプロ不全によって胸部大動脈疾患にかかりやすくなることから、疾患を発症させる最初の経路では細胞のTGF-β2レベルが低下し、これが患部の大動脈で二次的にTGF-β2産生の増加を引き起こすことが示唆される。

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