レーバー先天性黒内障(LCA)は、乳児期発症型の遺伝性網膜変性で、重度の視力低下を特徴とする。LCA症例の2/3は既知の17個の疾患関連遺伝子における変異によって引き起こされる(Retinal Information Network:RetNet)。我々は、エキソームの塩基配列決定によって、LCAを罹患するパキスタンの近親婚家系の2人の同胞において疾患を引き起こしている可能性がある、NMNAT1のホモ接合性ミスセンス変異(c.25G>A、p.Val9Met)を同定した。この変異は、この家系の他の3人のLCAの小児を含め、この家系においてLCAとともに分離することがわかった。NMNAT1はこれまでに同定されているLCA9座位に存在しており、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)生合成の律速酵素であるニコチンアミドモノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼの核型アイソフォームをコードしている。機能研究から、p.Val9Metの変化がNMNAT1の酵素活性を低下させることが示された。LCAを持つ血縁関係のない284家系においてNMNAT1の塩基配列を解読すると、さらに13人の罹患者において14個の稀な変異が同定された。これらの結果は、NMNATのアイソフォームがヒトの疾患に関連することを初めて示すものであり、NMNAT1の変異がLCAを引き起こすことを示唆している。