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エピジェネティックス:成人マウス組織のDNAメチル化地図から同定された胎児エンハンサーのエピジェネティックメモリー

Nature Genetics 45, 10 doi: 10.1038/ng.2746

哺乳動物の発生にはシトシンのメチル化が必要であり、これは遺伝し得る、細胞の記憶の後天的マークであり、細胞特異的な遺伝子発現パターンを維持すると信じられている。しかし、動的なDNAのメチル化がどのようにして細胞特異的遺伝子発現や動物の発生に関係しているかは、まだ分かっていない。17の成体マウスの組織を用い、低いカバレッジで、塩基単位の精度でメチロームのマッピングを行うことにより、組織特異的にメチル化の異なった領域(tsDMR)を302,864個同定し、マウスゲノムの6.7%を超える領域のメチル化が異なっていると見積もれることが分かった。遺伝子制御におけるDNAメチル化の顕著な役割を支持するように、ほとんどのtsDMRは、遠位部のシス調節領域で起こっていた。tsDMRの中には予測に反して成体組織では働いていないが、胚発生時には活性化しているエンハンサーを示すものもあった。これらの「退化した」エンハンサーは、成体組織では低メチル化を示し、活性型のヒストン修飾を欠いているが、胚発生の間は活性を示している。我々の結果は、組織特異的エンハンサーにおけるDNAメチル化の役割についての新しい洞察を与えるもので、胚発生のエピジェネティックメモリーが成体組織においても維持されていることを示唆するものである。

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