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膀胱がん:膀胱がんの全ゲノムおよび全エキソーム塩基配列決定によって姉妹染色分体の接着や分離に関与する遺伝子に高頻度の変化が同定された

Nature Genetics 45, 12 doi: 10.1038/ng.2798

膀胱がんは世界規模で最もよく見られるがんの1つで、主たる病型は移行上皮がん(TCC)である。本論文では、TCC患者99人の全ゲノムおよび全エキソーム塩基配列決定の両方から得られたTCCゲノム解析の結果を報告する。その結果、TCCにおいて存在がこれまでに明らかになっていた頻発する遺伝子変異に加えて、新たにTCC発症に関与することが示された遺伝子の変化や経路を同定した。注目すべきは、高頻度の変異が、姉妹染色分体の接着・分離(SCCS)に関与する2つの遺伝子、STAG2およびESPL1に見つかったことである。さらに、DNA塩基配列決定済みの42の腫瘍検体についてのトランスクリプトーム配列解析により、SCCSを担う別の因子TACC3FGFR3との高頻度の遺伝子融合を検出した。全体として、99の腫瘍検体のうち32で(32%)、SCCSの過程に関わる遺伝子に変異が生じていた。今回の解析結果は、SCCの過程に影響する遺伝子変化が膀胱がん発症に関係する可能性についての根拠となり、膀胱がん治療の新たな方向を明らかにするものである。

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