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神経内分泌腫瘍:小腸神経内分泌腫瘍におけるCDKN1Bの体細胞変異
Nature Genetics 45, 12 doi: 10.1038/ng.2821
小腸神経内分泌腫瘍(SI-NET)が診断される頻度は増加しつつあるが、その基盤になるゲノム機構はまだ解明されていない。SI-NETのエキソームならびにゲノム塩基配列決定を行って、サイクリン依存性キナーゼ抑制因子のp27をコードしている遺伝子であるCDKN1Bに頻発する体細胞変異や欠失を見つけたので報告する。180例のSI-NETのうち14例でCDKN1Bのフレームシフト変異を、50例のSI-NETのうち7例でCDKN1Bを含んだヘミ接合性欠失を見つけたので、p27を腫瘍抑制因子の候補とみなすとともに、SI-NETの病因に細胞周期制御異常が関与していること示した。