Article
高血清尿酸値:ゲノムワイド関連解析によって新たに同定された18の血清尿酸値の関連座位
Nature Genetics 45, 2 doi: 10.1038/ng.2500
血中尿酸値は、高頻度にみられる、痛みを伴う炎症性関節炎である痛風の原因となる。今回、Global Urate Genetics Consortium(GUGC:世界尿酸値遺伝解析コンソーシアム)に含まれるヨーロッパ系の140,000人超のデータを統合したメタ解析を行い、ゲノムワイドな有意性を示す、28の血清尿酸値に関連する座位を同定し、その関連再現性を確認した(そのうち18は新たに同定されたゲノム領域で、以下の遺伝子の内部か近傍に存在する:TRIM46、INHBB、SFMBT1、TMEM171、VEGFA、BAZ1B、PRKAG2、STC1、HNF4G、A1CF、ATXN2、UBE2Q2、IGF1R、NFAT5、MAF、HLF、ACVR1B-ACVRL1、B3GNT4)。18の座位の大半における尿酸値との関連は、非ヨーロッパ系の人における値と同程度であった。これらの座位について、さらに、痛風、転写産物発現、尿酸排泄率のそれぞれとの関連解析を行った。また機能的関連ネットワーク解析を行ったところ、インヒビン‐アクチビンシグナル伝達経路およびグルコース代謝が全身の尿酸値のコントロールに関係していることが示唆された。血清尿酸値に関連する新たな遺伝子候補からの知見は、尿酸の産生と排泄が代謝によりコントロールされているという重要な事実にスポットを当てるものであり、痛風の治療および予防に有用であると考えられる。