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孤立性線維性腫瘍と遺伝子融合:統合的な塩基配列決定研究により孤立性線維性腫瘍において頻発するNAB2-STAT6の遺伝子融合が同定される

Nature Genetics 45, 2 doi: 10.1038/ng.2509

再発性の孤立性線維性腫瘍(SFT)/血管外皮腫の44歳女性が、全エキソーム配列決定およびトランスクリプトーム配列決定を含む、臨床的な配列解読プログラムに登録されている。この女性には、転写抑制因子NAB2と転写活性化因子STAT6の遺伝子融合が検出された。さらに27例のSFTのトランスクリプトーム配列決定では、すべての腫瘍にNAB2-STAT6の遺伝子融合の存在が同定された。RT-PCRおよび塩基配列決定法を用いると、51例すべてのSFTにおいて、この遺伝子融合が検出されたことから、高い頻度でみられることが明らかである。NAB2-STAT6融合タンパク質の発現がSFTにおいて確認され、また、融合産物では、NAB2の早期増殖応答(EGR)結合ドメインがSTAT6の転写活性化ドメインに融合していると予測される。NAB2-STAT6の融合遺伝子を過剰に発現させると、培養細胞の増殖が引き起こされ、また、EGR応答遺伝子の発現が活性化された。これらの研究は、NAB2-STAT6がSFTの決定的なドライバー変異であることを確立し、また、細胞増殖経路の転写抑制因子を転写活性化因子に変換することで、どのように新生物が発症しうるかの例となるものである。

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