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RNAサイレンシング:病原性卵菌はRNAサイレンシングの抑制因子をコードしている
Nature Genetics 45, 3 doi: 10.1038/ng.2525
エフェクターは、ウイルス、細菌、真菌、卵菌、原虫、昆虫および線虫を含む、広範囲にわたる寄生体によって産生される不可欠な毒性タンパク質である。宿主細胞に侵入する場合に、病原体のエフェクターは、宿主の免疫を妨害するために、特定の生理的過程あるいはシグナル伝達経路を操作する。ほとんどのエフェクター(特に、真核病原体のエフェクター)の機能は特徴が明らかにされていない。本論文では、植物病原性卵菌のフィトフトラ属菌(Phytophthora sojae)の2つのエフェクターが、小分子RNAの生合成を抑制することにより、植物においてRNAサイレンシングを抑制することを示す。Phytophthoraフィトフトラ属菌のこのようなRNAサイレンシングの抑制因子を異所的に発現させると、ウイルスおよびPhytophthoraフィトフトラ属菌の両方に対する植物の感受性が上昇することから、いくつかの真核病原体は、感染を促進するために宿主のRNAサイレンシング過程を標的とする毒性タンパク質を進化させてきたことが示される。これらの知見は、RNAサイレンシングの抑制が、植物界・動物界を問わず、病原体に使用され、疾患を引き起こす一般的な戦略であることを明らかにし、また、RNAサイレンシングが宿主防御において重要な役割を担っていることで一致している。