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頭蓋骨癒合症:TWIST1の塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックス(bHLH)パートナータンパク質をコードするTCF12の変異は冠状頭蓋骨癒合症を高頻度で引き起こす

Nature Genetics 45, 3 doi: 10.1038/ng.2531

頭蓋骨癒合症は、頭蓋縫合が早期に癒合してしまうためにさまざまな臨床症状を呈する疾患で、概算で2,200人に1人という頻度で発生する。そして、患者のおよそ21%において疾患特異的な遺伝的要因が同定されている。例えば、II型塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックス(bHLH)転写因子をコードしているTWIST1に生じた変異がその1つであるが、この変異はSaethre-Chotzen症候群を引き起こし、この疾患では通常、冠状縫合早期癒合が認められる。エキソーム塩基配列決定を行い、血縁関係のない頭蓋骨癒合症患者347人の標本から、ヘテロ接合性のTCF12変異を38か所に同定した。これらの変異は主として冠状骨癒合症患者で生じており、両側性および片側性冠状癒合患者のそれぞれ32%と10%において見つかった。TCF12は、TWIST1のようなII型bHLHタンパク質とヘテロ二量体を形成する、I型Eタンパク質の3つのうちの1つをコードしている。転写活性化作用を解析した結果からTCF12とTWIST1が相乗的に機能すること、さらに、Tcf12およびTwist1の機能喪失変異が二重ヘテロ接合性であるマウスは、重篤な冠状骨癒合症状を呈することを明らかにした。したがって、TCF12-TWIST1ヘテロ二量体の量が正常な冠状縫合形成にきわめて重要であることが判明した。

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