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トウモロコシの穀粒の並んでいる数の量的な違いはFASCIATED EAR2遺伝子座によって制御されている
Nature Genetics 45, 3 doi: 10.1038/ng.2534
例えばトウモロコシ、小麦、米などの穀物類の栽培化は、農業と人類の文化的定着に計り知れない影響を与えてきた。主要な改良の1つは、開花あたりの種子の数の増大で、生産量を増やし、収穫と貯蔵の簡素化をもたらした。トウモロコシの祖先にあたるブタモロコシは粒が2列だが、現代の品種ではおよそ8~20列になっている。穀粒の列は、花序分裂組織に由来し、芽の分裂組織の大きさは、CLAVATAシグナル伝達タンパク質とWUSCHEL転写因子がかかわるフィードバックループによって制御されている。我々は、開花期の分裂組織の大きさの違いは、穀粒の並び列の数(KRN)が収穫量の増加に加担する影響を持っているという仮説を支持する。さらに、CLAVATAの受容体に似たタンパク質FASCIATED EAR2の変化は花序分裂組織の大きさとKRNの増加を促すことも示した。これらの発見は、基本的な幹細胞の増殖の制御経路を変えることで穀類の生産を増やせる可能性があることを示唆している。