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白血病:小児急性リンパ芽球性白血病におけるNT5C2の再発特異的変異

Nature Genetics 45, 3 doi: 10.1038/ng.2558

再発した小児急性リンパ芽球性白血病(ALL)は強力な治療によっても内因性の抵抗性があるために、予後は不良である。この抵抗性をもたらす生物学的経路は不明である。この論文では診断時と再発時の骨髄試料とが対応している10人の小児性Bリンパ芽球性白血病について、RNA塩基配列決定を用いたトランスクリプトームのプロファイルを報告する。トランスクリプトーム塩基配列決定により、初めの診断時にはなかった新規に獲得された新たな非同義的変異20個が見つかり、2人の患者では5'-ヌクレオチダーゼをコードしているNT5C2の同一遺伝子内に再発特異的な変異があることがわかった。61例のさらなる再発試料についてNT5C2の全エキソーム塩基配列決定を行ったところ、さらに5症例で変異が見つかった。変異タンパク質を酵素学的に解析すると、塩基置換は酵素活性の増加をきたし、ヌクレオシド類似体療法による治療に抵抗性を付与することがわかった。臨床的にはNT5C2変異を持つ患者はすべて最初の診断から36か月以内の早期に再発していた(P=0.03)。これらの結果はNT5C2の変異はALLにおける薬剤耐性クローンの出現にかかわっていることを示している。

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