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オートファジー:オートファジー遺伝子WDR45のde novo変異はSENDA(static encephalopathy of childhood with neurodegeneration in adulthood)を引き起こす
Nature Genetics 45, 4 doi: 10.1038/ng.2562
SENDA(static encephalopathy of childhood with neurodegeneration in adulthood)は、脳内鉄沈着神経変性症(NBIA)の最近確立されたサブタイプである。エキソーム塩基配列決定により、SENDA患者2人においてXp11.23のWDR45にde novoのヘテロ接合性変異を見いだし、さらにサンガー法による塩基配列決定により、他の3人の患者においてWDR45に異なる3個の変異を同定した。これらの患者由来のリンパ芽球様細胞株(LCL)を用いて、2人においてWDR45の異常なスプライシングを確認、5人全例でタンパク質発現の著しい減少を観察した。WDR45はWD-repeat domain 45(WDR45)をコードする。WDR45(別名WIPI4)は、オートファジーに重要な役割を担っている酵母Atg18の4つの哺乳類ホモログのうちの1つである。患者のLCLでは、オートファジー活性の低下および異常な初期オートファジー構造の蓄積が確認された。これらの知見は、オートファジー異常がヒトの神経変性疾患に実際に関連しているという直接の証拠である。