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肺動脈高血圧症:ゲノムワイド関連研究で肺動脈高血圧症の感受性座位を発見

Nature Genetics 45, 5 doi: 10.1038/ng.2581

肺動脈高血圧症(PAH)は稀な重篤な疾患で、血管細胞の増殖により小管径肺動脈の進行性の閉塞を起こす。PAHは認識できるような原因がなくても発生(原発性PAH)するが、系統的疾患に関連するもの、遺伝性に発症するものがあり、BMPR2の変異が家族性の場合には80%に、原発性PAHの場合には15%に見つかる。我々は原発性および家族性のPAHのうち、BMPR2変異を伴わないものについて、625人の症例と1,525人の健康人を含む2つの独立したケース・コントロール研究に基づいて、ゲノムワイド関連研究(GWAS)を行った。18q22.3にマップされるCBLN2座位に有意の関連を検出し、そのリスク座位はPAHに対しオッズ比1.97(1.59~2.45、P = 7.47×10−10)を示した。CBLN2は肺で発現し、その発現はPAH患者から摘出した肺や摘出PAH肺からの培養血管内皮細胞ではさらに高かった。

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