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大脳皮質形成異常:TUBG1、DYNC1H1、KIF5CおよびKIF2Aの変異は大脳皮質形成異常と小頭症を引き起こす
Nature Genetics 45, 6 doi: 10.1038/ng.2613
大脳皮質形成異常(MCD)の遺伝的原因はほとんど解明されていない。本論文では、MCDの患者にTUBG1、DYNC1H1、KIF2Aの複数の病原性ミスセンス変異と、KIF5Cの生殖細胞系列モザイク変異1つを発見したので報告する。DYNC1H1には多くの頻発する変異がみられることから、この遺伝子が、説明のつかないMCDの主要な座位であると示唆された。さらに、KIF5C、KIF2A、DYNC1H1の変異は、それぞれATP加水分解、産生されたタンパク質の折り畳み、微小管結合に影響することを示す。また、in vivoでのマウスTubg1発現の抑制は、適切なニューロン移動を阻害するが、出芽酵母( Saccharomyces cerevisiae )での異常なγ-チューブリンタンパク質の発現は正常な微小管の挙動を妨げる。我々のデータは、大脳皮質形成における中心体および微小管に関連するタンパク質の重要性をさらに強く支持するものであり、また、微小管依存的な分裂過程および分裂後の過程がMCDの発症機序に大きく寄与していることを強く示唆している。