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アトピー性皮膚炎:高密度遺伝子型判定研究からアトピー性皮膚炎の4つの新しい感受性座位が同定される
Nature Genetics 45, 7 doi: 10.1038/ng.2642
アトピー性皮膚炎は、一般的な炎症性皮膚疾患であるが、強い遺伝性を示す。発症機序モデルから、ケラチノサイトの分化異常や免疫変化が素因になっていると考えられており、また、最近のデータから、少なくとも患者の一部においては自己反応性が発症機序に担う役割について示されている。FLG(フィラグリンをコードする)は、皮膚障壁機能異常を引き起こす主要な座位であることが明らかになっている。リスク遺伝子多様体をより詳細に明らかにし、さらに感受性座位を同定するために、アトピー性皮膚炎のドイツ人(症例)2,425例と対照群5,449例について、イムノチップアレイを用いて詳細な遺伝子型判定を行い、次に、ドイツ、アイルランド、日本、中国の症例7,196例および対照群15,480例において追試を行った。我々は、アトピー性皮膚炎の4つの新しい感受性座位を同定し、これまでに示された関連の再現性を確認した。この研究により、ヨーロッパ系の人について報告されたアトピー性皮膚炎のリスク座位数は11になった。我々は、これらの感受性座位を合わせると、アトピー性皮膚炎の遺伝率の14.4%を占めると推測する。