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アルドステロン症:アルドステロン産生腺腫と原発性アルドステロン症におけるCACNA1Dカルシウムチャネル遺伝子の体細胞ならびに生殖細胞系列の変異

Nature Genetics 45, 9 doi: 10.1038/ng.2695

副腎のアルドステロン産生腺腫(APA)はナトリウム蓄積性のホルモンであるアルドステロンを持続的に産生し、重症高血圧のありふれた原因である。カリウムチャネル遺伝子KCNJ5のよくある変異は細胞の脱分極とCa2+の流入を起こし、このタイプの腫瘍の約40%の原因となる。我々は、KCNJ5の変異がない43のAPAの中で、電位依存性カルシウムチャネルをコードするCACNA1Dに5つの体細胞変異(このうち4つはGly403、1つはIle770の変化)を見つけた。変化したアミノ酸はチャネル孔に沿ったS6部位に局在していた。いずれの変異も、脱分極電位が低くてもチャネルの活性化をもたらし、Gly403の変異はチャネルの不活性化をも障害していた。これらの効果はCa2+の流入増加を起こすものと推定され、アルドステロン産生と副腎球状層での細胞増殖の十分な刺激となる。さらに我々は原発性アルドステロン症と神経筋異常を特徴とする未報告の症候群を示す2人の児童で、上記と同じ位置に生殖細胞系列の新生変異を見つけた。これらの所見は、APAと原発性アルドステロン症にはCa2+チャネルの機能獲得型の変異が関与していることを示している。

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