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肝細胞がん:トランスポゾン変異導入法による慢性B型肝炎モデルマウスの肝細胞がん原因遺伝子の同定

Nature Genetics 46, 1 doi: 10.1038/ng.2847

肝細胞がん(HCC)を発症させる最も頻度の高いリスク因子はヒトB型肝炎ウイルス(HBV)による持続的な感染である。HCCを引き起こす要因がどのように進展していくかを理解するために、HCCのHBVモデルマウスを対象に、ほぼ飽和させた規模のトランスポゾン変異導入スクリーニングを行った。その結果、21個の初期ドライバー遺伝子候補、および極めて多数(2,860個)の後期ドライバー遺伝子候補を同定した。これらの候補遺伝子は、ヒトHCCに重要なシグナル伝達経路において変異が生じているか、その調節に異常があるか、もしくはそこで働いている遺伝子を多く含んでいた。しかも特筆すべきは、そのうち1,199個の遺伝子は細胞の代謝過程に関係していたことである。今回の研究成果は、HCCの遺伝学の全容についての包括的概観を示すものである。

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