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自己炎症性症候群:NLRC4の変異は腸炎と自己炎症を特徴とする症候群を引き起こす
Nature Genetics 46, 10 doi: 10.1038/ng.3066
病原体に伴う分子パターンを検知すると、自然免疫受容体は炎症応答を開始する。細胞質内のNOD様受容体(NLR)はこのような受容体であり、NLRが刺激されると、インフラマソーム(複数のタンパク質からなる複合体)内にカスパーゼ1が動員され、カスパーゼ1は自己切断により活性化される。カスパーゼ1はインターロイキン1ファミリーのサイトカイン(IL1FC)の産生を仲介し、発熱や炎症細胞死(ピロトーシス)を引き起こす。これらの経路を構成的に活性化する変異は、さまざまな臨床症状を示すいくつかの自己炎症性疾患の原因となる。今回我々は、新生児期発症の腸炎、周期的発熱、自己炎症による死亡ないしは死亡しかけたエピソードを特徴とする、これまでに報告されていない症候群を示す1家系について報告する。我々は、この疾患がNLRC4のde novoの機能獲得性変異によって引き起こされることを示す。この変異は、NLRC4のHD1ドメインのp.Val341Ala置換をコードしており、疾患と共分離する。変異型NLRC4は構成的なIL1FC産生およびマクロファージの細胞死を引き起こす。罹患者の感染マクロファージは、ピロトーシスの傾向があり、インフラマソーム構成要素の染色で異常を示す。これらの知見は、複数の機能を持つNLRC4インフラマソームが、生命を脅かすが治療可能な自己炎症性疾患を説明する病因であることを示している。