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扁平上皮がん:食道扁平上皮がんの遺伝的基盤

Nature Genetics 46, 10 doi: 10.1038/ng.3076

食道扁平上皮がん(ESCC)は最も致死性の高いがんの1つである。腫瘍細胞と正常細胞の検体ペア113組と、8種類のESCC細胞株について、エクソーム塩基配列決定を行った。その結果、標本ペアにおいて、腫瘍あたり平均82の非サイレント変異を見いだした。ESCCの変異プロファイルは食道以外の組織の扁平上皮がんにおけるプロファイルとよく似ていたが、食道腺がんのものとは異なっていた。細胞周期やアポトーシスの調節に関わる遺伝子は99%の腫瘍で体細胞変異を示し、そうした遺伝子にはTP53(93%)、CCND1(33%)、CDKN2A(20%)、NFE2L2(10%)、 RB1(9%)がある。ヒストン修飾遺伝子群にも頻繁に変異が起こり、例えばKMT2DMLL2ともいう、19%)、KMT2CMLL3、6%)、KDM6A(7%)、EP300(10%)、CREBBP(6%)で見つかった。EP300に変異があると生存率が低かった。HippoおよびNotchシグナル伝達経路はおのおの、FAT1FAT2FAT3FAT4(27%)、もしくはAJUBAJUB、7%)、NOTCH1NOTCH2NOTCH3(22%)もしくはFBXW7(5%)における変異によって調節異常を来した。上記の結果は、ESCCにおける変異の全体像を明らかにし、予後や治療という観点からエピジェネティックな調節因子に生じた変異にスポットを当てるものである。

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