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免疫抑制剤:HLA-DQA1–HLA-DRB1の多型はチオプリン系免疫抑制剤によって引き起こされる膵炎の感受性に寄与する

Nature Genetics 46, 10 doi: 10.1038/ng.3093

膵炎は、チオプリン製剤のアザチオプリンあるいはメルカプトプリンによる治療を受けた患者の約4%に発症する。この膵炎の発症は予測できず、膵炎が発症するとほとんどの場合に投薬が中止される。我々は、これらの薬剤の投与を開始してから3か月以内に膵炎を発症した炎症性腸疾患(IBD)患者を世界の168か所で確認した。症例を詳細に判定した上で、IBDの症例172人と対照群2,035人についてゲノムワイド関連研究を行った。我々は、強力な関連の証拠をクラスII HLA領域内に同定した。最も有意な関連は、rs2647087(オッズ比2.59、95%信頼区間2.07-3.26、P=2×10−16)に同定された。これらの知見は、薬剤曝露に関して対応させたIBD症例78人および対照群472人からなる独立したセットにおいて追試された。HLA領域についての精細マッピングから、HLA-DQA1∗02:01–HLA-DRB1∗07:01ハプロタイプとの関連が明らかになった。チオプリン製剤の投与後に膵炎を発症するリスクは、rs2647087がヘテロ接合性の患者は9%であるが、ホモ接合性の患者は17%である。

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