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毒素原性大腸菌:長期にわたって世界規模で分布している腸管毒素原性大腸菌(ETEC)クレードの同定

Nature Genetics 46, 12 doi: 10.1038/ng.3145

感染性下痢の主要な原因菌の1つである腸管毒素原性大腸菌(enterotoxigenic Escherichia coli : ETEC)は、耐熱性や易熱性の腸内毒素(エンテロトキシン)を作り出すとともに、腸粘膜を標的とする腸管定着因子を25種類以上産生する。エンテロトキシンと大部分の定着因子をコードしている遺伝子は、血清型の異なる多様な大腸菌内に存在するプラスミド上にある。1980年から2011年の間に単離されたETECの代表的なコレクションに対して全ゲノム塩基配列決定を行い、定着因子とエンテロトキシンの違いによって特徴づけられる世界規模に分布する大腸菌の系統を複数見つけたので報告する。これらの比較的最近になって出現した系統は、現在の概念に反して、染色体とプラスミドを特定の組み合わせで保持して、適応度および遺伝性を最適化している可能性がある。今回の研究成果は、ETECによって発症する疾病についての理解や追跡、さらにおそらくは予防に対しても意味あるものである。

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