Analysis

臨床ゲノム:2,360個の単一ミスマッチ修復遺伝子バリアントの5段階標準分類体系をInSiGHTの遺伝子座データベースに適用

Nature Genetics 46, 2 doi: 10.1038/ng.2854

疾患関連遺伝子中に同定された遺伝性の塩基配列バリアント(多様体)を臨床的に分類することは、両親や親族の病気の管理に直接に影響を及ぼすものである。国際消化管遺伝性腫瘍学会(InSiGHT)は協同して、リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)関連遺伝子MLH1MSH2MSH6PMS2の先天的なバリアントに適用するために、分類のための標準となる体系を開発し、検定を行っていく取り組みを行った。配列の分類の一助とするため、未発表のデータの登録が推奨され、そのデータはマイクロアトリビューションにより評価した。この体系は、配列(群)の分類に利用可能な臨床データおよび機能データに対する分野横断的な専門委員会のレビューにより改良され、2,360の配列バリアントに適用を行った。また、オンライン上に公開されている。有効な判断基準を用いた評価により12,006データベースエントリの66%の分類を修正するに至った。命名法から明らかにタンパク質の切断ではないと考えられる1,370の配列について、現在、臨床的勧告が可能である。この大規模な試みは、リンチ症候群を持っていると思われる家族に対する一貫性のある管理を促進するものであり、公的な遺伝子座データベース中のバリアントのキュレーションや分類での分野横断的な協力の価値を例示している。

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