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トウガラシのゲノム解読:トウガラシのゲノム配列はトウガラシ属植物の辛味の進化に対する洞察を与える
Nature Genetics 46, 3 doi: 10.1038/ng.2877
トウガラシ(Capsicum annuum)はアメリカにおいて最も古くから栽培が行われた作物の1つであり、全世界で香辛料作物として最も広く育てられている。我々はトウガラシ(Capsicum annuum、栽培品種CM334のメキシコ在来種)について、186.6倍の読取り深度で行った全ゲノム配列決定とアセンブルについて報告する。また、我々は2つの栽培品種のトウガラシについてのリシーケンシングと野生種Capsicum chinenseのde novo塩基配列決定についても報告する。トウガラシのゲノムサイズは近縁であるトマトに比べおよそ4倍大きかった。またゲノムはGypsy配列およびCaulimoviridaeファミリーのウイルス配列の蓄積を示している。 統合的なゲノムおよびトランスクリプトーム解析はカプサイシン合成の遺伝子発現の変化と新規機能獲得がカプサイシノイド生合成を特徴づけていることを示唆している。我々はトウガラシとトマトで熟成制御因子とエチレン合成の異なる分子パターンを発見した。参照となるゲノムはトウガラシ属植物の栄養的および医薬的な価値を改善する基盤として提供されるだろう。