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白血病:T細胞性急性リンパ芽球性白血病における標的療法耐性についてのエピジェネティックな機構

Nature Genetics 46, 4 doi: 10.1038/ng.2913

T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)における活性型NOTCH1変異の同定は、 NOTCH1活性化を防止するγセクレターゼ阻害剤(GSI)の臨床試験につながった。しかし、これらの阻害剤に対する応答は一過性であることから、耐性がその臨床的有効性を制限していることが示唆される。本論文では、T-ALLの耐性をモデル化することで、NOTCH1シグナル伝達が存在しなくても増殖するGSI寛容の「残存(persister)」細胞を同定した。まれな残存細胞はすでにナイーブT-ALL集団に存在しており、また、その表現型が可逆性であることからエピジェネティックな機構であることが示唆される。GSI感受性細胞に対して、残存細胞は、異なるシグナル伝達および転写プログラムを活性化しており、クロマチンの凝縮を示す。ノックダウンによるスクリーニングから、残存細胞の生存能力に不可欠な、BRD4をはじめとするクロマチン調節因子が同定された。BRD4は、MYCおよびBCL2といった重要なT-ALL遺伝子の近傍に存在するエンハンサーに結合する。BRD4阻害剤であるJQ1は、これらの標的の発現を下方制御し、また、GSI感受性細胞には十分に許容できる投与量で、残存細胞の増殖停止およびアポトーシスを誘導する。これと一致して、GSI-JQ1の併用は、in vivoの患者由来の初代培養T-ALL異種移植モデルに対して有効であることが分かった。我々の知見は、白血病耐性のエピジェネティックな異質性の仕組みを確立するものであり、併用用法にエピジェネティックな修飾薬を組み込むことによって対処できる可能性を示している。

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