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I型インターフェロン:IFIH1の機能獲得性変異はI型インターフェロンシグナル伝達の上方制御に関連する一連のヒト疾患表現型を引き起こす
Nature Genetics 46, 5 doi: 10.1038/ng.2933
I型インターフェロン系はヒトの抗ウイルス免疫に不可欠である。しかし、この系の不適切な刺激あるいは負の調節の異常は、炎症性疾患を引き起こすことがある。我々は、I型インターフェロン症であるアイカルディ・ゴーシェ症候群および、その他のI型インターフェロン応答の上方制御が実証されているが定義されていない神経学的および免疫学的な表現型について、遺伝学的な特徴が明らかになっていない症例の分子基盤を決定しようと試みた。我々は、細胞質の二本鎖RNA受容体遺伝子IFIH1(MDA5とも呼ばれる)のヘテロ接合性変異が、インターフェロン状態の亢進に一貫して関連する一連の神経免疫学的特徴を引き起こすことを見いだした。細胞的および生化学的なアッセイから、これらの変異が、変異型IFIH1のRNAに対する親和性の上昇といった機能獲得性に寄与し、基底状態およびリガンド誘導性のインターフェロンシグナル伝達の増強を引き起こすことが示された。今回の結果は、核酸の感知異常が免疫の上方制御を引き起こしうることを実証している。