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黒色腫:POT1のまれなミスセンスバリアントによって家族性皮膚悪性黒色腫の発症リスクが上昇する

Nature Genetics 46, 5 doi: 10.1038/ng.2941

CDKN2Aが最も高頻度で見つかる黒色腫(メラノーマ)発症のハイリスク遺伝子であるものの、黒色腫を発症しやすい大半の家系における遺伝要因についてはいまだ明らかになっていない。イタリア・ロマーニャ地方の互いに血縁関係のない黒色腫を発症しやすい5家系において、全エキソーム塩基配列決定により、テロメアシェルタリン遺伝子POT1(7番染色体、g.124493086C > T、p.Ser270Asn)にまれな変異(創始者変異)を同定した。この変異を持つ人では、テロメア長の増大ならびに不安定なテロメア数の増加が観察された。これは、この変異によってテロメア維持機構が損なわれることを示している。これとは別に、さらに2つのまれなPOT1バリアントが、2つのイタリア人家系で黒色腫患者の塩基配列決定を行ったところ、全ての患者で同定した。家系ごとに1つのバリアントというPOT1バリアントの出現頻度は、この集団におけるCDKN2A変異の頻度と同程度であった。これらのバリアントは、既存のデータベース、もしくは遺伝子型決定されたイタリア人対照群2,038人においては見つからなかった。さらにまた、2種類のまれな、繰り返し観察されるPOT1バリアントを、アメリカ人とフランス人の家族性黒色腫患者において同定した。今回の研究成果はPOT1が、いくつかの集団における家族性黒色腫の発症リスクを担う主要な遺伝子であることを示唆するものである。

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