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マーモセットのゲノム:コモンマーモセットのゲノムは霊長目の生物学と進化に手掛かりを与える

Nature Genetics 46, 8 doi: 10.1038/ng.3042

コモンマーモセット(Callithrix jacchus)の全ゲノム塩基配列解読について報告する。雌のマーモセットの2.26 Gbのゲノムが、サンガー法による読み取りデータ(6×)と全ゲノムのショットガン法による結果を用いてアセンブルされた。初の解析により、類人猿と旧世界ザルとのゲノムの比較が行えた。そして、体のサイズや、頻繁に双子を産むことや、キメラ化といったことに影響する遺伝的な変化をはじめ、この小型の霊長類の生物学に寄与するであろう特有の特徴が同定できた。また、成長ホルモン/インスリン様増殖因子遺伝子(増殖経路)、呼吸鎖複合体I遺伝子(代謝経路)、そして免疫生物学的因子やプロテアーゼ(生殖および免疫経路)をコードする遺伝子についての正の選択を見いだした。加えて、生殖に関連する遺伝子(タンパク質をコードする遺伝子とマイクロRNA遺伝子の両方)に、速い配列進化の証拠が見いだせた。この新世界ザルのゲノム配列は、利用可能な霊長類ゲノム間での比較解析力を増加させうるものであり、生物医学研究への応用を促進するものである。

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