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前立腺がん:BAZ2A(TIP5)は前立腺がんのエピジェネティックな変化に関わっており、その発現が過剰であればがんの再発が予測される

Nature Genetics 47, 1 doi: 10.1038/ng.3165

前立腺がんは遺伝的変化とエピジェネティックな変化のどちらか、または両方によって引き起こされる。エピジェネティックな変化はヒトのすべてのがんで頻繁に観察されるが、通常とは異なるエピジェネティックな特徴がどのように形成されるかについてはほとんど解明されていない。BAZ2A(TIP5)をコードしている遺伝子は、これまでにrRNA遺伝子のエピジェネティックな発現抑制に関与することが示唆されているが、本論文では、この遺伝子が前立腺がんで過剰発現しており、逆説的になるが、前立腺がん細胞の増殖をがん細胞特異的に維持していることを明らかにする。BAZ2Aはタンパク質をコードする多数の遺伝子の発現を調節しており、さらにEZH2と直接的に相互作用して、がん転移時に抑制を受けている遺伝子のエピジェネティックな発現抑制を維持していた。また、BAZ2Aの過剰発現は、CpGアイランドメチル化因子表現型による分子サブタイプに高度に関連していた。また、前立腺がん患者7,682人からなるコホートにおいて、BAZ2Aの高発現自体が、がん再発の生化学的な予測因子であることが分かった。今回の研究によって、エピジェネティックな調節因子BAZ2Aの新たな、通常とは異なる役割が明らかになった。すなわちBAZ2Aは、前立腺がんにおける転移の可能性に対する有効なマーカーとしても機能する可能性がある。

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