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クッシング病:脱ユビキチン化酵素遺伝子USP8の変異はクッシング病を引き起こす

Nature Genetics 47, 1 doi: 10.1038/ng.3166

クッシング病は脳下垂体の副腎皮質刺激ホルモン産生細胞の腺腫によって引き起こされる。この腫瘍における内分泌機能の自律性の分子機構を調べるために、10例の副腎皮質刺激ホルモン分泌腺腫のエキソーム配列解読を行った。10例の腺腫のうちの4例に脱ユビキチン化酵素遺伝子USP8の体細胞変異が見られた。これらの変異は、14-3-3タンパク質結合モチーフに集中して存在しており、タンパク質分解酵素によるUSP8の切断およびその触媒作用の上昇を引き起こした。USP8の切断は、EGF受容体の脱ユビキチン化の増加を引き起こすことで、EGF受容体の下方制御を阻害し、EGFシグナル伝達の持続を引き起こした。USP8の変異は、プロオピオメラノコルチンをコードする遺伝子のプロモーター活性を増強させた。まとめると、我々のデータは、USP8の優性変異がEGF受容体シグナル伝達の活性化を介してクッシング病を引き起こすことを示している。

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