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ヘキソース輸送:栽培化されたトウモロコシおよびイネの種子登熟はSWEETが仲介するヘキソース輸送に依存する
Nature Genetics 47, 12 doi: 10.1038/ng.3422
種子の炭水化物の取り込みは、種子のサイズを直接的に決定付けており、栽培化はそれを増強しただろうと考えられる。しかし、栽培化で糖の転流が選択されたことを示す証拠は得られておらず、また、種子を登熟させる輸送体の正体も明らかになっていない。トウモロコシのZmSWEET4cは、他のホモログがスクロースを輸送するのと異なり、種子への栄養素の流入点であるBETL(basal endosperm transfer layer;基部内乳輸送層)を越えるヘキソースの経表皮輸送を仲介するものであり、栽培化中の選択を示すシグネチャーが認められる。トウモロコシのZmSWEET4cおよびイネのオルソログOsSWEET4の変異体は、いずれも種子登熟に異常をきたし、BETLでのヘキソース輸送の欠損が母株の師部から移動してきた糖のそこから先の輸送に害を及ぼすことが指摘された。トウモロコシでもイネでも、SWEET4が栽培化の過程で取捨選択されて、内乳の糖の取り込みが増強したと考えられる。