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テロメア病:ポリ(A)特異的リボヌクレアーゼ(PARN)はテロメラーゼRNA構成要素(TERC)の3′末端成熟を仲介する

Nature Genetics 47, 12 doi: 10.1038/ng.3423

PARN遺伝子〔ポリ(A)特異的リボヌクレアーゼをコードする〕の変異は家族性の特発性肺線維症(IPF)や先天性角化異常症を含むテロメア病を引き起こすが、PARN欠損がテロメアの維持を障害する仕組みは解明されていない。本論文では、PARN変異を有する先天性角化異常症の患者由来の体細胞および誘導多能性幹細胞(iPSC)を用いて、PARNがテロメラーゼRNA構成要素(TERC)の3′末端成熟に必要であることを示す。患者由来の細胞も、PARNが破壊された不死化細胞も、TERCレベルの低下を示した。TERC RNAの3′末端の詳細な塩基配列決定により、転写後に獲得したオリゴ(A)尾部(これを有する核RNAが分解の標的となる)の除去にPARNが必要であることが分かった。TERCレベルの低下およびTERCのオリゴ(A)型の割合の増加はPARNの回復により正常化されることから、PARNは細胞でのTERC成熟を制限していることが分かる。我々の結果は、TERCの生合成におけるPARNの新しい役割を実証し、また、PARN変異をテロメア病に関連させる機構を示している。

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