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大腸がん:トランスポゾンを用いた変異導入による、消化管腫瘍悪性化を引き起こす遺伝子群および進化の推進力の同定
Nature Genetics 47, 2 doi: 10.1038/ng.3175
大腸がん(CRC)の悪性化を引き起こす遺伝子群および、がんゲノム進化の推進力についてより包括的に理解するために、腫瘍の悪性化のさまざまな段階で作用する遺伝子に変異を持つマウスにおいて、Sleeping Beauty(SB)トランスポゾンを用いた挿入変異導入によるスクリーニングを行った。こういったアプローチを採用することで、CRCに強く関与すると考えられる遺伝子群の同定と、CRCの悪性化の推進力および進化システムとしての特性についてのさらなる深い理解が可能になった。さらに、腫瘍の悪性化進展を推進する6つの遺伝子と、ヒトCRCの新たな腫瘍抑制遺伝子であるZNF292も同定した。ZNF292は、他の種類のがんでも機能している可能性がある。今回得られたCRCに関する包括的なデータセットは、新たなCRC治療法を開発するためのリソースとなる。