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組換え頻度:組換えはヒト集団における有害変異かつ疾患関連変異の蓄積に影響する

Nature Genetics 47, 4 doi: 10.1038/ng.3216

提唱から数十年を経た学説によって、遺伝的組換えが起こらない場合には微弱な有害効果を持つ変異が非可逆的に蓄積され、無性生殖を行う多くの生物種が絶滅に追い込まれる可能性があることが論証されてきた。有性生殖を行う生物種における組換えが起こらない染色体は、これと同様の機序で衰えていくと考えられている。 しかし、交差の頻度が極度に変化に富んでいる場合、有害な変異が染色体にどの程度蓄積するかはよく分かっていない。今回、1,000人ゲノムプロジェクトおよびCARTaGENEプロジェクトから抽出した1,400人以上の高深度の塩基配列決定データを用いて、有害と想定されるバリアントがヒトゲノム全体にどのように分布するかは、組換えが起こる頻度により変化することを明らかにした。すなわち、組換え頻度が低い領域のエクソンには、有害かつ疾患関連バリアントが著しく多く存在していた。 そしてこのようなシグネチャーには、人口動態の経緯が異なる世界中のヒト集団でその度合いに違いが認められた。組換えが起こる頻度が低い領域には、重要な細胞機能を持つ高度に保存された遺伝子が多く含まれ、健康に明らかに影響する変異が過多に認められた。このようなゲノム領域の状態は、ヒトにおける疾患への易罹患性におそらく影響を与えると考えられる。

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