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血液疾患:ETV6の生殖細胞系列変異は、血小板減少症、大赤血球症、およびリンパ芽球性白血病の素因に関連する
Nature Genetics 47, 5 doi: 10.1038/ng.3253
家族性血小板異常は、白血病、骨髄異形成症候群(MDS)あるいは赤血球異形成貧血の素因となることがある。我々は、常染色体優性血小板減少症、および平均赤血球容積(MCV)の高値が見られる1家系に、前駆B細胞性の急性リンパ芽球性白血病(ALL)の罹患者2人を認めた。全エクソーム配列解読から、ETV6(ets variant 6)のヘテロ接合性一塩基変化(c.641C > T、タンパク質の中央部のドメインのp.Pro214Leu置換をコードする)が、血小板減少症およびMCV高値と分離することが明らかになった。同様の表現型を示す23家系の調査から、ETV6変異を持つ2家系が同定された。そのうちの1家系には、p.Pro214Leuをコードする変異が見られ、ALLの患者が1人存在した。他方の家系には、DNA結合ドメインのp.Arg418Gly置換を引き起こすc.1252A > Gのトランジションが見られ、これにより選択的スプライシングとエクソンスキッピングが引き起こされる。これらの変異の機能的特徴付けから、変異型ETV6および内因性ETV6の細胞内局在の異常、転写抑制の減少、巨核球成熟の変化が明らかになった。我々の知見は血小板形成および白血病の素因としてETV6が示す重要な役割を浮き彫りにしている。