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ソウギョ:ソウギョのドラフトゲノムとその草食適応への進化の手掛かり
Nature Genetics 47, 6 doi: 10.1038/ng.3280
ソウギョ(Ctenopharyngodon idellus)は重要な養殖魚で、世界的には淡水魚の水産養殖のうちおよそ16%を占めている。また、草食の食性を持つ。今回、我々は雌性発生のメス成魚のゲノム0.9 Gb、および野生状態から得たオス成魚のゲノム1.07 Gbのドラフト配列を報告する。ゲノムアノテーションにより、メス個体のゲノムから27,263個のタンパク質をコードする遺伝子モデルを同定した。114個のscaffold(全体で573 Mb)を24個の連鎖群に落とし込んだ。ソウギョとゼブラフィッシュの分岐は、5400万年〜4900万年前に起こったと見積もられる。ゼブラフィッシュとの比較により、ソウギョでは染色体融合が起こっており、ソウギョのX染色体とY染色体の間で頻繁な交差が起こったことを見つけた。また、肝臓でのメバロン酸経路とステロイド合成の転写の活性化が、ソウギョでの肉食から草食への適応に関連していることを発見した。ソウギョゲノムが、ゲノムアプローチによる繁殖の品質向上に向けた第一歩を踏み出すための基盤となることを確信している。